倉敷の若手税理士ブログ

カテゴリ: ブログセミナー

「損益計画」独立・開業ブログセミナー第13回

5月 13th, 2011

前回の資金計画の内容の補足ですが、

① 公的融資を活用する場合などは、

自己資金(親族等からの借入や援助含む)を1/3以上

準備することが大抵の場合に条件となる

② 運転資金には、ある程度の期間の生活費も含めて考える

③ (前回も書きましたが)見積りを取ったり、事前に金融機関に話を聞きに行ったりすることで

把握した出来るだけ正確な数字で計画する

この辺りの精度が低いと、思ったより出費がかさんで開業後たちまち資金繰りに困ることに

なりますのでしっかりと下調べをしてください。

それでは、本題の「損益計画」についてお話します。

皆さんは「損益」という言葉と「収支」という言葉の違いが分かりますか?

おそらく、この2つを混同しておられる方がほとんどなのではないでしょうか。

「損益」=「収益」-「費用」(会計の世界だけで使われる概念)

「収支」=「収入」-「支出」(世間一般で良く使われる概念)

この計算式において、「収益」≠「収入」かつ「費用」≠「支出」に注意してください。

「収益」には、実際に入金されていない売上も含まれますし、借金をして手元にお金が増えても

それは「収益」ではありません。

逆に「費用」には、実際に出金されていない経費も含まれますし、固定資産のように高額なもの

を購入してお金は支払っているにもかかわらず、購入代金がすべて「費用」になるわけでは無い

とことが、その違いの例として挙げることが出来ます。

私は、「損益」は「もうけを生み出す力の強さ」という例えでいつも説明しています。

なぜ会計や税金の世界では「収支」ではなく「損益」が重要なのか。

① 会計処理の結果作られる損益計算書という書類は、「もうけを生み出す力の強さ」を第三者

 に客観的に見てもらうことを目的に作られるから

② 税金は「収支」に対してではなく、「損益」を基準として計算されるものだから

ということです。

続きは次回

ブログセミナー

「資金計画」独立・開業ブログセミナー第12回

4月 27th, 2011

さて、今回は「資金計画」についてです。

「資金計画」といっても、開業や設備投資の際の計画と運転資金の計画では様相が

全く異なります。

ここでは、「開業時の資金使途と資金源泉についての計画」という意味での資金計画

についてお話します。

前置きが長くなりました。

では、どのように作るのか。

① 開業までの間にかかるお金を全部挙げる

② その必要なお金をどうやって調達するかを考える

この資金計画を表にする場合、左右対称のボックスの左側に①を羅列し右側に②を

羅列するのが一般的です。

資金の使い道・資金の調達元

テナントを借りて小売業をする場合の例で資金計画を作ってみたのが、上記の表です。

出来るだけ具体的な数字を調べておくと、後に作成する利益計画の精度があがりますので、

面倒くさがらずにしっかりと計画を立てましょう。

ブログセミナー

「事業計画その2」独立・開業ブログセミナー第11回

4月 21st, 2011

 さて、今日ここでお話しする事業計画は

 「資金計画」

「損益計画」

(と「資金繰り計画」

といった数値計画の事です。

 すでに開業されていて、ある程度の数年の営業実績のある場合に銀行等の金融機関から

融資を受ける為に作成する場合には「損益計画」と「資金繰り計画」が要求されることが殆ど

です。

 一方でこれから開業しようとする場合には、「資金計画」と「損益計画」が必要です。

 (もちろん「資金繰り計画」があるに越したことはありませんが。)

 これらの具体的な内容をご説明します。

① 資金計画

 資金計画とは、開業の際に必要な

「設備資金(イニシャルコスト)+運転資金(ランニングコスト)」

をどのように調達するか、を計画するというものです。

② 損益計画

 損益計画とは、開業後の「売上-売上原価-経費=利益」

 がどのようになるかを計画するものです。

 計画期間としては、最初の年や事業年度は開業した月日により1年未満になる場合が

ありますが、2年目以降は1年ごとに考えます。

③ 資金繰り計画

 ②の損益計画は、必ずしも収入と支出に一致しません。

 それは、収入≠収益 支出≠原価または経費 だからです。

 たとえば銀行等からの借り入れをした場合を考えてください。

 借入金額は収益ではありませんが収入にはなります。逆に返済する金額のうち利息を除いた

部分(元本といいます。)は経費ではありませんが支出です。

 ですから、損益計画をもとに資金繰り計画も別に作成しておくとよいのです

さて、次回はそれぞれの計画をご一緒にたてていきましょう。

ブログセミナー

「事業計画」独立・開業ブログセミナー第10回

4月 13th, 2011

 今日は区切りの第10回、1週間に1回のペースを守りつつ何とか書いてきました。

 さて、今日は「事業計画」です。

 ようやく、数字に絡む内容になりました。本業と言って良い内容です。

 本当はこの内容からスタートしてもよかったのですが、

なぜそうしなかったか。

 「私の経験からくる信念から」、というと恰好つけすぎでしょうか。

 私は、いままで会計事務所に勤務してきてたくさんの会社や事業体の数値計画策定の

お手伝いをしてまいりました。

 しかし、残念ながらその大半は数字だけの計画だったのです。

 それは、経営者が本気で考えた計画ではなく、「昨年対比売上5%アップだから原価率30%

で・・・」といった数字のお遊びでしかなかったのです。

 ひどい時には、「銀行がこのぐらいの利益が出る計画にしないと融資してくれないから、

そうなる計画でよろしく。」と、経営者に言われて作ったという最悪のものもありました。

 そんな計画ですから、当然ほとんどが未達成でしたし、

そもそもその計画の数字に経営者は何の重みも感じないのです。

 こんな計画を、それこそ何日もかけて作っていた訳ですから作る方も当然モチベーションが

上がりません。

 私は独立するにあたって、

 いくばくかの手数料を頂く為に、そんな意味のない計画を作ることは

絶対にしたくないと思いました。

 だからこそ、このブログセミナーでもかなり精神論的なことを最初に

お話したのです。

 ですが、ここが本当に大事です。

 実際に商売を始めると、日々の業務に追われて自分を見失うような

ときがあるのです。

 そんな時に、自分を支えてくれるのは明確な信念とそれに基づく計画

です。

 ちょっと熱くなってしまいました、次回から具体的なことをお話ししてまいります。

ブログセミナー

「独立・開業のタイミング」独立・開業ブログセミナー第9回

4月 7th, 2011

これからの時代、HPを使ったマーケッティングについては研究するべきです。

そして、柔軟に要望に対応していただけて料金も良心的なHP作成業者を見つけて、

その研究成果を試しましょう。

ちなみに、当事務所は株式会社イケル様に依頼しています。

ちょっと、脱線しました。

今日は、「独立・開業のタイミング」のお話です。

みなさんは具体的な開業予定日を決める(決めた)ことと思います。

準備ができたから、いざ開始!!ですか?

以下の視点は入れましたか?

① 独立でお客様を引き連れる場合、お客様に迷惑のかからない時期か

② サービス等を開始するのに適切な時期か(季節・景況など)

③ 暦の問題

①では、元の所属先にも迷惑をかけない時期にすることも忘れずに。

ライバルになるとはいえ、今後もなんらかの付き合いがあることでしょう。

そこはお互いが気持ちよく仕事をしていくために気を付けるのがマナーでしょう。

また、②については売上の季節変動のある事業ですと、事業計画の内容に

大きな影響を与えますので、十分注意してください。

さらに、③は大多数の事業に直接的な関係は無いとはいえ、「大安」や「先勝」など暦に

こだわる方が事業のキーマンだったりすると、この点にも気をつけておく必要があります。

ブログセミナー

「HPの活用その2」独立・開業ブログセミナー第8回

3月 30th, 2011

 今日もHPのマーケティングに関する私の考えをお話していきます。独立・開業の話から

若干脱線しますが、もうしばらくお付き合いください。

 さて、HPは「特定の顧客に向けて情報発信する」ことを主眼に作るべきと申しました。

 では、どうすべきか。

 最終的な目標は何か。これを定めずにむやみに作るHPほど意味の無いものはありません。

 それは、ズバリ

『「特定の顧客」のブラウザの「お気に入り」に

あなたのHPを登録してもらうこと』

です。

 その為の考え方を、3つのステップに分けます。

① 「特定の顧客」を想定する

 あなたが、そのサービスを提供したい顧客はいったいどんな人ないしは会社なのかを

しっかりイメージしてください。

② 特定の顧客があなたのサービスを

受けたいと思うに至る「情報」を整理する

 同じ品質で価格が安いのか、価格は高いが品質がずば抜けているのか、

他では受けられないサービス等なのか、何かに特化したサービス等なのか、

そういった「特定の顧客」のニーズにあなたの提供するサービスがいかにマッチしているか

を伝える「情報」が何かを整理しておく必要があります。

③ その情報がHPに存在することを

「特定の顧客」に認知してもらうための仕組みをつくる。

 これが実は一番難しく、DMを打ったり広告を入れたりといったアナログの手段とのミックスに

なります。

 いかがでしょうか。今や工夫のないHPは電話帳に一行載っている電話番号と大差ありません。

 万人に見てもらうHPなど必要ありません。

 あなたの「特定の顧客」にラブコールを送るHPをこそ作るべきです。

 SEO対策もその観点に絞って行うべきでしょう。

ブログセミナー

「HPの活用その1」独立・開業ブログセミナー第7回

3月 23rd, 2011

今回はちょっと寄り道しまして、HPを活用したマーケティングの考え方をお話します。

私はHPには3種類あると考えています。

① 会社の概要を広く一般に告知するためのHP

② 会社から特定の顧客に向けて情報を発信するためのHP

③ いわゆるネット販売用のHP

今までは、事業の種類や事業の仕組みによって上記①から③のいずれかひとつ

HPを持つのが普通でした。

しかし、これからは(と申しますかすでに)違います。(違ってきています。)

①のHPは今やアナログ時代の電話帳のごとく、その他大勢に埋没して

しまっていてなかなか見てもらえませんよね。

③は楽天などのようなネットモールがサービスとして確立しており、その中で

個性を出す方法もあるのでしょうが、コストがかかりそうです。

そうなると、HPの位置づけは②を重視でいかなくては

いけないという結論になります。

②のHPは、あたかもDMや折り込みチラシを出すかのような企画が必要です。

若干脱線気味なのですが続きを書くと長くなりそうなので、続きは次回。

ブログセミナー

「事業のしくみの完成度」独立・開業ブログセミナー第6回

3月 16th, 2011

あなたの事業のサービス等は練りこまれました。

しかし、いくら良いサービス等でもそのサービスを顧客に提供するまでの道筋

ができていないと、その事業は絵に描いた餅でしかないことになります。

① 原材料や商品やサービスの元となる、仕入れのルート

 はあるか

② 製造設備や技術、サービスに対する知識は充分あるか。

③ 想定顧客に対して、サービス等をアピールしていくチャネル

 が複数あるか

④ 必要な人材(従業員等)の目途はついているか

特に③は、マーケティングに関する知識が必要になっていきます。

たとえばホームページ(HP)を活用したマーケティングについて。

さて、HPは今や安価で幅広い対象にアピールできるメディアとして大活躍しています。

もちろん、これから独立・開業される方にとってHPは必須なツール

になるといえます。

ですが、もはや単に作ればよい時代は終わりました。

では、どうするのか。

それに関しては次回!

ブログセミナー

「製品・商品・サービスについて」独立・開業ブログセミナー第5回

3月 9th, 2011

前回は、「熱い動機」と「高い志」が必要なことをお話しました。

今日は、具体的な「製品・商品・サービス(以下「サービス等」と言います。」)

について考えるべき点をお伝えします。

さて、独立・開業するに当たって、あなたが提供しようとするサービス等が

決まっていないなどということは無いと存じます。

ですが、そのサービス等についてもう一歩踏み込んで考えてください。

① そもそも、ニーズはあるのか。

② 想定する顧客層はどういったものなのか。

③ 競合他社があるか、あるとすればそれとの差別化要素

 (セールスポイント)はあるか。

あなたが、あたかもあなたの提供しようとするサービス等の提供を受けるサイドの人間

になったと想定して考えるましょう。

また、信頼のおける友人や親族などに聞いてみるのも手です。

そしてあなたのサービス等に磨きを掛けてください。

市場で通用するサービス等になりましたか?

ブログセミナー

「志・動機」独立・開業ブログセミナー第4回

3月 2nd, 2011

本日は「創業準備チェックリスト」の第一項目です。

「志・動機」は何か?

あなたが、独立・開業しようとする動機は何でしょうか?

「サラリーマン生活に飽き飽きしたから」

「今の担当顧客に、独立を勧められたから」

それぞれ動機はあるでしょう。

今回お話したいのは、そのような「当座のきっかけ」

ではありません。

あなたは、

本当にこの事業で一生生活していこうと心から思っていますか?

この事業は天職ですか?

私が申し上げたいのは、

あなたの、動機は「熱い動機」ですか?

ということです。

もし、不安なら週末起業のような形から入るほうが良いのかも

しれませんよ。

そして、もうひとつ。

「志」はありますか?

いかに「熱い動機」があってもそれが独りよがりの動機では、

その事業は世間の支持を集めることはできません。

世間・世の中、そういったものに照らして、

あなたの事業は役にたちますか?

他人様の為に、世の中の為にという視点の無い事業は

長くは続きません。

いつか滅びます。

① 自分がこの事業に対して思っている

  「熱い動機」を書き出しましょう。

そして、

② この事業が世の中をどう良くする(良くしたい)

 事業なのかを書き出しましょう。

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