平成23年12月2日に公布・施行された改正のうち、
今回触れるのは減価償却の改正についてです。
改正の内容としては、
① 定率法 が適用される減価償却資産が対象
定率法ってどんな償却方法でしたっけ
「取得・事業供用して最初の方に沢山費用に出来て、
だんだんと費用にする額が少なくなっていく方法」
とイメージしておられればそれで正解!
さて、改正の内容解説に戻ると、
② この「最初の方に沢山費用に出来る」割合が下がる
というのが今回の改正です。
事業に使う固定資産を買ったら、出来るだけ早く費用
にして、早い段階で税金負担を減らしたいと思うのは
経営者として当然だと思います。
しかし、今回の改正はその視点で言うなら、「改悪」
の改正(?)です。
そこで、この改正の適用開始時期!!
チェックするのは
③ 「平成24年4月1日」
④ それに自社の事業年度
原則は
③の日以降に取得したものから適用
なのですが、
特例として
③の日以降に終わった④の翌期に取得したものから適用
することも出来ます。
この特例について具体例を挙げて説明すると
平成24年3月決算法人・・・平成24年4月1日以降取得
平成24年4月決算法人・・・平成24年5月1日以降取得
平成24年5月決算法人・・・平成24年6月1日以降取得
などのようになります。
設備投資のタイミングが1日違っただけで減価償却費として
費用に出来るスピードが違ってくるので要注意!
詳しくは我々税理士にご相談を!!
節税知識
いつものように事務所で判例をチェックしていると、
以前から気になっていた税務訴訟の判決が出ていた。
最高裁判決。
結果は国税の勝訴
養老保険を使って、法人から個人へ税負担がゼロないしは少なく
資金の移転ができますよ
という売り文句で一部の生命保険代理店が勧めていたものについての事です。
仕組みは次の通り
① 契約者 法人
② 保険料負担者 法人半分 法人の代表者半分
③ 満期金受取人 法人の代表者
④ 死亡保険金受取人 法人
⑤ 法人の負担した保険料は法人の経費に
⑥ 法人の代表者の負担した保険料は法人がその代表者に貸し付け
⑦ 満期は3年など短い期間
ここまでの法人の処理は問題とされていません。
で、満期が来ました。
法人の代表者が満期保険金をもらいました。
当然「一時所得」として確定申告します。
「一時所得」は「収入金額-必要経費」ですから
① 収入金額 満期保険金全額
② 必要経費 保険料全額(会社が経費にした分も含め)
として処理しました。
この 「② 必要経費とする金額」について国税が問題にしました。
法人で経費になっている部分は必要経費に入れてはいけないと。
裁判になって、下級審では国税が負けたりして
今回の最高裁判決がどうなるか興味のあるところでした。
そして今回の判決で納税者が負けて確定。
私の思った通りでした。
この養老保険の扱いについては、私が独立する前に担当していたお客様が
私が加入を止めたにも関わらず加入し、実際に今回裁判で負けたような申告を
するように求められて大ゲンカしたのでよく覚えているのです。
大体常識で考えて違和感のある節税は裁判で負けるんです。
今回の判決で処理が確定した訳ですから、国税は堂々とこの
処理を否定できます。
私がケンカをしたお客様は、私が独立してからは関わることは
無かったので判りませんが、どうされるのでしょうね。
私なら自主的に修正申告を出すことをお勧めしますが・・・。
あと、生命保険代理店はどうなるのでしょうね。
その件で私と電話した
営業担当は「大丈夫でしょう。」と大見得きってましたが。
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